NIKKEI BUSINESS INNOVATION FORUM 企業経営の強化に不可欠なITイノベーション 画期的なコミュニケーションツールも次々登場 NIKKEI BUSINESS INNOVATION FORUM

活力ある企業経営が日本経済を支える

三菱UFJリサーチ&コンサルティング エコノミスト 内田 俊宏氏

ITによる経営効率化で企業体質を強固に

米国の住宅価格反転が景気回復の鍵

 今回の米国発の金融危機は日本だけでなく、世界経済をかつてない深刻な状況に追い込んでいる。日本経済は昨年12月をピークにすでに後退局面に入ったと見ているが、国際協調によって金融安定化や株価対策が実施されたとしても、実体経済の回復には時間を要し、本格回復は再来年以降になると思われる。
 ではこれから日本企業はどのような戦略で生き残っていくべきなのか。結論としては、IT(情報技術)による経営効率化も含め、さまざまな変化に柔軟に対応できる企業体質を構築することが1つの方向性だろう。
 日本経済は「成熟型」へと徐々に移行してきた。60年代以降の高成長期は実質経済成長率の平均で8.7%、その後のバブル景気を含む安定成長期は約4%となり、90年代の「失われた10年」は平均1.0%まで低下した。直近の景気回復局面は2%弱で推移したが確実に潜在成長率は低下している。
 人口減による個人消費や住宅投資の低迷に加え、財政悪化による公共事業の減少など内需が力不足の状態は続く。輸出企業が成長著しい中国や中東・ロシアなどの新興国市場を開拓することで内需不足をカバーしてきたが、世界的な金融危機は新興国経済までも低迷させている。外需一辺倒の日本経済が浮上するためには、米国の住宅価格の反転と個人消費の上昇が条件となり、やはり2〜3年の期間が必要だろう。
 これまで日本経済をけん引してきた輸出企業の業績悪化が地域経済に与える影響は大きい。東海地域の中長期的な戦略としては、主力の自動車産業の成長分をカバーする産業構造への転換が急務である。モノづくりの持続的発展を図るため、地域雇用を生み出す高付加価値製造業の競争力を高めるとともに、地域独自のサービス産業の育成や広範囲にわたる産学連携なども不可欠となるだろう。
 こうした地域戦略には、IT活用の成否が鍵を握っている。景気後退局面にこそ、企業や地域の競争力を左右するIT戦略への取り組みとそれによる企業経営や地域経営の効率化が求められている。

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